文部科学省選定 幼児向け・少年向け 教養・情操等
庭で日なたぼっこが趣味のパパ。ボクも一緒につき合って流れ雲を眺めていると、いろんな形をした雲がある。空を飛んで、あの雲のところに行きたい!ボクの夢がどんどん広がる。チャチャに言わせると、人間は翼がないから飛べないらしい。けれど、知恵という翼を使って飛べるようになったんだそうだ。飛行機を発明したのも、そんなことの証。ボクはボクなりに知恵を絞る。風船に捕まれば、飛べるかな?でも、一つや二つではダメみたい。たっくさんの風船が必要だ。そんな時、テレビを見ていたら、競技場で何かのスポーツの祭典が開かれており、ブワーッとたくさんの風船が空に向かって放たれた。「チャチャ、あれを捕まえて!」猛スピードで、風船を捕まえに走るチャチャとボク。けれど、風船はもう空の彼方。捕まえようがない。すると突然、チャチャは公園に向かって走り出した。「チャチャ、そっちじゃないぉ!」チャチャは公園にいる鳥たちに、風船を捕まえてくれるようお願いしに来たのだ。鳥たちは、一斉に飛び立ち、風船を捕まえて来てくれる。けれど、風船では空には上がれない。もうダメ……と諦めそうなボクに、諦めたら夢は叶わないんだよとチャチャは教えてくれる。鳥たちに事情を話すと、小さな鳥から大きな鳥へ、大きな鳥からもっと大きな鳥へ。ボクの夢が伝わってゆく。そして、ついに大鷲にまで話が届き、みんながボクの夢に協力してくれる。チャチャの車体に結びつけられたロープをくわえて、大空へといざなってくれるのだった。
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