文部科学省選定 幼児向け・少年向け 教養・情操等
街で仮装コンテストがあり、パパとママはボクにも出場させるつもり。パパとママのオモチャにされるボクはこれから何とか逃げ出したい。なんたって、女の子の格好をさせられるのだから。初めて、ボクが嫌だと自己主張をしたのには、パパもママもびっくり。チャチャも自分の意見を言うのは、いいことだと褒める。そこでボクは、なりたかったものを思いつく。レーサーだ。何しろチャチャに乗って大っぴらに外を走れるチャンスなのだから。ところが、レーサーになって会場へ行ってみると、仮装した人のスカートをひっかけたり、露店の屋台を倒したりして、みんなに怒られる結果になってしまう。地下水道に隠れたボクは、途端に自信がなくなってしまう。「やっぱり、ママの言った服を着ればよかったのかな……」これにはチャチャが怒った。自分の信じたことを貫かないボクにだ。ボクは、やっぱり自分を信じるのだと勇気を振り絞るのだった。
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